胃潰瘍とは
胃粘液と胃酸分泌量のバランスが乱れることで、胃粘膜がただれて潰瘍が形成される状態です。胃潰瘍は様々な要因によって引き起こされますが、中でも一番多いのがピロリ菌感染です。胃潰瘍ができると、胃の痛みや不快感、食欲不振、吐血、黒い便(タール便)などの症状が現れます。
胃潰瘍は、数か月で自然に治ることもありますが、出血が続いていたり潰瘍が複数あると悪化することもあるため適切な治療を行う必要があります。また胃潰瘍は、一度治っても再発を繰り返しやすいため治療後も定期的に検査を受けましょう。
胃潰瘍のセルフチェック
以下のような症状に当てはまる方は、胃潰瘍が疑われるので、一度、胃カメラ検査を受けましょう。
- みぞおちの痛みが続く
- 胸焼けが続く
- 呑酸(酸っぱいげっぷ)がよく出る
- 食欲不振
- 吐き気や嘔吐の症状がある
- 吐血した
- 胃もたれが続く
- 背中が痛い
- 口臭が気になる
- 急な体重減少
- 黒い便(タール便)がでた
胃潰瘍の自覚症状として、最も多いのがみぞおちの痛みです。また、ほとんど症状がないまま進行している方もいますが、潰瘍が進行すると出血によって黒い便(タール便)が出ます。
みぞおちの痛みや胸やけ、呑酸、食欲不振などの症状は、胃潰瘍だけでなく機能性ディスペプシアや慢性胃炎、胃がんなど様々な疾患でも現れます。適切な診断を行うには胃カメラ検査が必要です。胃カメラ検査なら、胃粘膜の状態を直接観察することができます。
胃潰瘍の原因
ストレス
睡眠不足、過労、緊張、不安、イライラなど精神的または肉体的なストレスによって自律神経が乱れると、胃酸の分泌が過剰になり胃粘膜に潰瘍ができやすくなります。
ピロリ菌感染
胃潰瘍の7割以上が、ピロリ菌の感染によって起こっているといわれています。
ピロリ菌に感染するとピロリ菌が発生する毒素や分解酵素によって慢性胃炎を引き起こし、そのまま放置していると炎症の一部に潰瘍が現れます。除菌治療を行うことで、すぐに症状は治まります。
香辛料や熱すぎる・冷たすぎる飲食物の過剰摂取
刺激の強い香辛料や熱すぎる・冷たすぎるものは、胃にダメージを起こしやすいので、摂り過ぎると胃潰瘍のリスクが高くなります。
薬の副作用
ステロイド薬などの長期服用によって胃粘膜に負担がかかると、胃潰瘍が起こりやすくなります。また、膝痛、腰痛、関節リウマチなどの痛み止めとして処方される非ステロイド系消炎鎮痛薬は、胃の粘膜を荒らす副作用によって胃潰瘍が起こりやすくなります。
タバコ、コーヒー、お酒など
タバコは、胃粘膜の血流を低下させる作用があり、胃潰瘍が起こりやすくなります。大量の飲酒やコーヒーは、胃に負担がかかるので控えましょう。
不規則な食生活
暴飲暴食や早食い、よく噛まずに飲み込む、寝る前に食事をするなど不規則な食生活を送っていると、胃に負担がかかり続けて胃潰瘍が起こりやすくなります。
胃潰瘍の治療
薬物療法
胃粘膜に出血がみられない場合は、胃酸の分泌を抑える薬や胃粘膜を保護する薬の服用で治療を行います。胃潰瘍は、薬物療法で症状はすぐに改善されることが多いですが、再発しやすいので、症状が無くなったからといって治療を中断せずに、処方された薬は医師の指示に従い服用するようにしましょう。また、がん性潰瘍の場合、治療後に胃がんが徐々に進行する可能性があるので、治療後も定期的に胃カメラ検査で経過観察を行いましょう。
内視鏡的治療
胃潰瘍に出血が見られる場合、胃カメラによる止血処置を行います。検査時にそのまま止血処置を行うことができます。
外科的治療
胃潰瘍によって胃粘膜に穴が開いている場合、手術が必要となります。その場合は、速やかに連携する高度医療機関を紹介いたします。