下痢

下痢とは

水っぽいゆるい便が頻繁に排泄される下痢症状は、冷えや暴飲暴食、過度な飲酒などによって起こることがよくあります。腹部を締め付けるような鋭い痛みを伴うこともよくあります。
症状は、短期間で収まることもあれば、繰り返し長期間にわたって続くこともあります。繰り返す下痢の症状は、治療が必要な疾患が原因で起こっている可能性もあります。
また、繰り返す下痢によって水分摂取ができない状態が続くと、脱水が起こりやすいので早めにご相談ください。
特に問題が無い場合も、下痢が続くと日常生活に影響が出て、生活の質(QOL)の低下につながります。下痢の症状でお悩みの方は、ご相談ください。

慢性下痢と急性下痢

慢性下痢は、3週間以上続く下痢の症状で、疾患が原因で引き起こされている可能性があります。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、薬の副作用、食物不耐性(乳糖不耐症やグルテン感受性大腸炎など)、機能性下痢症候群、感染症、腸管の構造的な異常などが原因として考えられます。慢性下痢は、原因疾患に合わせた治療が必要となります。
一方、急性下痢は、突然発症し、通常は14日未満の期間に解消する下痢の症状です。急性下痢は、ウイルス、細菌、寄生虫などの感染によって引き起こされます。感染性の下痢の他にも、食中毒や薬の副作用によっても引き起こされる場合があります。急性下痢は、水様の便や軟便を伴い、発熱、吐き気、腹痛などの症状も現れることがあります。治療は、水分と電解質の補給、休息、場合によっては抗生物質や寄生虫薬の処方が行われます。

下痢の症状を伴う疾患

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、下痢型、便秘型、混合型などのタイプに分類されます。
下痢が主な症状として現れる下痢型は、水っぽい便や軟便、頻回に起こる排便などが特徴です。他にも腹部不快感、腹痛、腹部膨満感などの症状も同時に現れることがあります。発症する原因は、はっきりとわかっていませんが、複数の要因が関与して発症すると考えられています。食事の改善、ストレスの緩和、薬物療法などを行うことで症状の改善を行います。

大腸ポリープ

大腸ポリープは、大腸粘膜に発生する良性腫瘍です。ほとんどのポリープは、自覚症状はありません。しかし、一部のポリープは、大きくなって便が通りにくくなると血便や下痢、便秘などの症状が現れます。
大腸ポリープは、大腸カメラで見つけたらその場で切除することで大腸がんの予防につながります。

感染性腸炎

感染性腸炎は、細菌、ウイルス、寄生虫などの病原体によって引き起こされる腸の炎症性疾患です。
感染性腸炎による下痢は、水様の便や軟便、時には血便や粘液便が現れることがあります。下痢の他には、腹痛、腹部の不快感、発熱、悪心、嘔吐などの症状が起こります。感染源となる微生物が体内に侵入し、腸の組織に炎症を引き起こすことによって症状が現れます。
感染性腸炎による下痢は、多くの場合、数日から数週間で改善します。しかし、重症化すると、脱水症状や合併症のリスクが高いため、適切な治療が必要となります。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸の内膜に慢性的な炎症を引き起こす自己免疫性疾患です。
潰瘍性大腸炎の症状のひとつである下痢は、血液や粘液を含む水様の便が特徴です。症状の程度は人によって異なりますが、下痢が頻繁であり、排便回数が通常の状態よりも明らかに増加していることが一般的です。また、便の量も増え、腹痛や腹部の不快感と一緒に現れることがあります。
大腸粘膜の炎症によって腸管の組織が傷つき、潰瘍が形成されるため、腸管からの水分の吸収が損なわれ、下痢が引き起こされます。また、炎症が粘膜を傷つけることで、血液や粘液が便に混じることがあります。

クローン病

クローン病は、消化管を中心に発生する慢性の炎症性腸疾患であり、免疫系の異常によって引き起こされます。下痢は、クローン病の主要な症状の1つです。
クローン病による下痢は、血液や粘液を含む軟便や水様の便が特徴です。下痢の頻度や程度は個人によって異なりますが、通常は腸管の炎症と潰瘍が原因で発生します。腸管の炎症によって水分の吸収が損なわれ、また、腸管の組織が傷つくことで粘液や血液が便に混じることがあります。
クローン病による下痢は、頻回に起こることで生活の質低下につながるだけでなく、栄養吸収不良や脱水症状などの合併症を引き起こす可能性があります。また、下痢に伴う腹痛、腹部の不快感、疲労感、体重減少などの症状も現れることがあります。

下痢の検査・診断

下痢の状態や色、頻度、他に腹痛や発熱などの症状が無いか、海外の渡航歴、既往症、服用している薬について詳しく伺います。炎症性腸疾患などが疑われる場合、大腸カメラ検査で大腸粘膜の状態を確認する必要があります。他に、血液検査、便潜血検査などから必要な検査を行い下痢の原因を調べます。
当院は、鎮静剤を使用してウトウトと寝ている状態で苦痛を抑えて楽に受けられる大腸カメラ検査を行っています。

下痢の症状でお悩みの方は、消化器内科へ

下痢は、食べ過ぎや飲み過ぎ、体の冷えなどでよく起こる症状ですが、繰り返す下痢の症状や発熱、腹痛、血便などを伴う場合、疾患が原因で起こっている可能性もあります。
下痢は、短期間で収まることがほとんどですが、何度も繰り返す下痢や長期間にわたって続く下痢の症状は消化器内科へご相談ください。
当院は、必要に応じて大腸カメラ検査を用いて下痢の原因疾患を調べて適切な治療を行っています。
下痢が続く、下痢を繰り返すなどの症状でお悩みの方は、ご相談ください。